こもれび日和

悲しみ

――“ようこそコモレビ村へ!新しい風が吹きました”特集号――

コモレビ村に移り住んで、季節がひとつ巡ったころ。
村役場から一本の電話が春夏秋冬家に入った。

「春夏秋冬さんご夫妻、広報誌の“移住者特集”で
インタビューをお願いしたいのですが……」

律と蘭は、顔を見合わせた。

「え、うちでいいのかな?」
「そんな立派なこと話せるかしら……」

しかし、村の人々にあたたかく迎えられてきた二人。
「少しでも恩返しになれば」と、取材を受けることにした。


取材の日。
古民家の縁側には、湯気の立つ番茶と蘭の手製のクッキー。

律は台所で、
「お客さんに何か出したい」と、手早く季節のジャムを煮ている。

蘭はというと、
髪をととのえながら何度もメモ帳をのぞきこむ。

「えっと……村に来た理由は……
落ち着いた暮らしを求めて……うん、これでいい」

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