こもれび日和
「いつか……このレシピ、全部作ってみたいな」

「蘭……うん、絶対一緒に作ろう」

修繕の汗の中で、
二人の心にふっとあたたかい光が灯る。



シゲルさんの指導のもと、丸二日かけて修繕は終了。

「よし、これでしばらくは安心やろ」

蘭は新品の床をパンパンと叩く。

「しっかりしてる……すごい……!」

律は思わず感激。

「シゲルさん、本当にありがとうございました!」

するとシゲルさんはにやっと笑った。

「礼ならええ。代わりに今度、お前さんの料理を食わせろ。
村中でうまいと評判やけんの」

「もちろんです! 何を作りましょう!」

「そうじゃの……ほいじゃ、その本の料理の味”を期待しとる」

律と蘭は顔を見合わせ、うなずいた。


修繕を終えた古民家は、
まるで新しい命が吹き込まれたように、きらきらしていた。

縁側で夕涼みしながら、
蘭がぽつり。

「……ねぇ、律。
今日、思ったんだけどね。ここって……
“ふたりの家”になっていくんだなって」

律もゆっくり頷く。

「うん。少しずつ、自分たちの手で作っていくんだね」

風がそっと吹き抜ける。

古民家は、
この村での未来を静かに見守っているようだった。
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