こもれび日和
「律さん……わたし……赤ちゃん……できたみたい」


「えっ……!」

声を上げたあと、
律は蘭を抱きしめ、涙をにじませた。


「ありがとう……蘭さん……」

2人は小さな命の誕生を
大切に大切に育てようとしていた。

ある夜。
蘭は腹部に違和感を覚え、みるみる顔色が悪くなった。

病院へ急いだが――
医師の表情は重かった。


「……残念ですが……赤ちゃんの心拍が……確認できません」

蘭の身体から一気に力が抜け、
律はただ手を握ることしかできなかった。
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