こもれび日和
こうして、
“ほんの少しできたこと”を重ねながら、
蘭はゆっくりと立ち直っていった。


雪が解け始めた春先。
蘭は突然、律に声をかけた。

「律さん……
 あの子のために……何か、してあげたいの」


「……うん。蘭さんがしたい形で、しよう」

2人はコモレビ村の小さな丘へ向かった。
風がやさしく吹き、
村の家々が小さく見下ろせる穏やかな場所だった。

蘭は小さな桜の苗木を抱えていた。

「この子が生きていたら……
 春に生まれる予定だったから……
 桜がいいかなって」


「すごく、いいと思う」

2人で土を掘り、苗木をそっと植えた。
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