こもれび日和
「よし、今日は、おにぎりを作るぞ!」

そう言って、エプロンをはためかせながら現れたのは、律。

「おにぎりってね、手で握って、気持ちを包む料理なんだよ」

そう言うと、歩と直にも三角巾とエプロンを渡した。

はじめは戸惑っていた2人だったが、蘭の
「ちょっとだけ手を貸してあげるわよ」
というさりげない言葉に背中を押された。

炊き立てのご飯の湯気。
湯気の中に、どこか懐かしい感覚が漂っていた。

手を水で濡らして、塩を指先に塗し、ご飯を手のひらにのせる。

「形がちょっといびつでも大丈夫。美味しさは気持ちに比例するからね」

律の言葉に、歩と直もふっと笑った。

ツナマヨ、焼き鮭、たらこ、梅干し、何も入れない、しろおにぎり。

好きな具を選びながら、ふたりはいつしか夢中になっていた。
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