こもれび日和
「直…食欲、ないのかな」

「うーん、夜ご飯はちゃんと食べてるよね」

律も眉をひそめる。

「保育園で何かあったのかしら……」

「本人に聞いてみようか」

でも、その夜。
直にそっと聞いてみても、彼は首を横に振るだけだった。

「お腹すいてないの?」

「……うん。ちょっとだけ」

それ以上、言葉は出てこなかった。


次の日。
蘭は思いきって、保育園のカグラサクラ先生に相談した。

「直が最近お弁当をあまり食べてないみたいで……園では何か気になること、ありますか?」

先生は少し考え込んだあと、こう答えた。

「そうですね……実は最近、お弁当の時間になると直くんはちょっと緊張した様子で」

「緊張?」

「他のお友達と比べられているように感じちゃったのかもしれません。『それ、かわいすぎる』『そんなおにぎり見たことない』って言われて、うれしいけど、ちょっと恥ずかしかったのかも」

蘭の胸に、小さな痛みが走った。

(律があんなに心を込めて作ったのに、逆にプレッシャーになってたなんて……)
< 84 / 149 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop