こもれび日和
春夏秋冬家では、朝のキッチンにいつもの音が響いていた。

「今日は直の好きな卵焼き、ちょっと甘めにしてみたよ」

そう言いながら、律はにこにことお弁当箱を詰めていた。
ウインナーには海苔で小さな顔を描き、ブロッコリーにはチーズの星。
どれも直が笑ってくれるようにと思って工夫した。

「さーて、おべんとう完成!」

「やったー!」

歩はぱたぱたと走ってきて、お弁当をリュックにしまった。
直もあとに続くが、どこか静かだった。

「ありがとう、律さん」

小さな声でそう言って、直は自分のリュックを背負った。


夕方。
蘭が帰宅後にリュックを開けると、思わず息をのんだ。

(……またほとんど、食べてない)

卵焼きも、星のブロッコリーも、ほとんどそのままだった。

数日後も、やっぱり変わらない。
お弁当はかわいいまま、ほとんど手つかずで戻ってきた。
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