鏡のはざま〜向こうの世界の君と〜
もう、ひとしきり泣き終わったかも。
「ぐずっ、」
鼻水がすごい出てくる。
「アキ、大丈夫?ごめんね、泣かせちゃ────」
「マ、マはわ、る、くない、」
私は泣くと途切れ途切れになってしまう、でもそんなことは今考えていない。
「そうね、ごめんね、」
あの世界は、私たちを繋いでくれた。でもこんなことになるなんて。
もし、あの世界がなかったら、ハルはすぐに起きていたのかもしれない。
でも、すぐに──考えるだけで嫌だ。
たしかに、今は起きてくれたけど、その代わり私を忘れた。
それでいいの?
私は鏡の世界に感謝するべきなの?恨むべきなの?
でも、恨んでもしょうがないか。
「ママ、ありがと。ごめんね、今日は早く寝させて。」
現実逃避だけだとだめだ。
疲れたからゆっくり寝ないと…
そう思うけど足がふらついてしまう。
きっと元々繋がっていた鏡が怖いんだ。
結局私は、立とうとしても立てない、中腰の状態、
「どうした?動けない?」
ママにそんなことを心配される。
「う、ごけない。」
私は椅子に座った。
「うーん、今日はここで、2人で布団敷いて寝よっか。」
それは、ママが気を使って言ってくれた言葉。
「ありがとう。」
私はすんなり立てた。
原因はきっと、鏡の前に立ちたくないから。でも、ここで寝ていい。それが何故か支えになった。
ママが布団を敷いてくれた。
私は歯磨きをして、布団に入った。
ママはまだ、色々してるけど、今私に手伝える余裕が無い。
ごめんね、
「おやすみ」
「おやすみ」
ママが返してくれた。それが安心できて。
その日の睡眠は、とても爆睡出来た。