鏡のはざま〜向こうの世界の君と〜


それでも、その希望は、決心はすぐに打ち砕かれた。


「ハルくん!こんにちはー!ねね、趣味とか教えてー!」


「ハルっていうんだよな!おれ、田矢(たや)って言うんだ!友達なろーよ!」

「ハルくんかっこいいねー!どこ小出身ー?」


ああ、もう話せないかも……。


でもそんな時、凛が私の腕を引っ張ってくれて、


「ハルー!昨日ぶりー!」


凛がハルに話しかけに行ってくれた。


「あ!凛、昨日ぶりー!その子はアキちゃん?じゃあアキね。」


ハルは私の名前を覚えてくれた。それが嬉しかった。


「うん!アキって言うの!幼なじみなんだよー?」


これは私の少し意地が入ってしまった。


多分分からないんだろうな。


そんなことわかってる。分かりきってる。


それでも意地を貼ってしまう。


「凛から聞いた。ごめんね、記憶喪失とやらで忘れちゃってて。」


「大丈夫だよ、でも仲良くしようね!」


「そうだね。」


周りでは私たちが話している途中、凛とハルについての話になっていた。


「凛とハルくん付き合ってるんじゃないの…?」


「なんで?」


「だって昨日ぶりって、昨日あってるじゃん。」


「たしかに。」

「えー!そういう関係!?」


私は胸がいたんだ。


私は凛からそんな過去と聞いていない。


でもハルはきっと、凛が好きで………。


もしかしたら本当に付き合ってしまうのかもしれない。


「そういう関係じゃないからね、」


凛が弁解しようとしている。


それが少しだけ救いだった。


< 157 / 170 >

この作品をシェア

pagetop