鏡のはざま〜向こうの世界の君と〜
それでも、その希望は、決心はすぐに打ち砕かれた。
「ハルくん!こんにちはー!ねね、趣味とか教えてー!」
「ハルっていうんだよな!おれ、田矢って言うんだ!友達なろーよ!」
「ハルくんかっこいいねー!どこ小出身ー?」
ああ、もう話せないかも……。
でもそんな時、凛が私の腕を引っ張ってくれて、
「ハルー!昨日ぶりー!」
凛がハルに話しかけに行ってくれた。
「あ!凛、昨日ぶりー!その子はアキちゃん?じゃあアキね。」
ハルは私の名前を覚えてくれた。それが嬉しかった。
「うん!アキって言うの!幼なじみなんだよー?」
これは私の少し意地が入ってしまった。
多分分からないんだろうな。
そんなことわかってる。分かりきってる。
それでも意地を貼ってしまう。
「凛から聞いた。ごめんね、記憶喪失とやらで忘れちゃってて。」
「大丈夫だよ、でも仲良くしようね!」
「そうだね。」
周りでは私たちが話している途中、凛とハルについての話になっていた。
「凛とハルくん付き合ってるんじゃないの…?」
「なんで?」
「だって昨日ぶりって、昨日あってるじゃん。」
「たしかに。」
「えー!そういう関係!?」
私は胸がいたんだ。
私は凛からそんな過去と聞いていない。
でもハルはきっと、凛が好きで………。
もしかしたら本当に付き合ってしまうのかもしれない。
「そういう関係じゃないからね、」
凛が弁解しようとしている。
それが少しだけ救いだった。