鏡のはざま〜向こうの世界の君と〜

記憶の話



学校が終わって、帰る時、どうせ家で会うんだから一緒に帰らない?とハルに誘われた。

私は正直いって、嬉しかった。

ハルは私のことを忘れてしまったけれど、私のことを一生懸命認めようとしてくれているから。


でもそれが凛に元気になって欲しいから。とかの理由だったら……。

と思ってしまう。


そんなこと考えない方が幸せに生きていける。

それは誰でもわかっている。

「ハルはねよく私と一緒に川で遊んでいたの。その時にボールが転がって行って、私が取りに行ったら溺れちゃったんだ。」

「え?大丈夫だったの?」


「もちろん!ハルが助けてくれたんだ!」


「その時の俺すごいね。」


「かっこよかったよー!」


ほんとにかっこよかったんだよー?

「着いた。」


その声を聞いて顔を上げた。


ハルの家だ。


「じゃあ着替えてくるねー!」

「待ってるね。」


私は一旦家に帰った。


そしてすぐに私の部屋のクローゼットに行く。


でもその時鏡が目に入った。


心臓の音が聞こえる。

ドクドクドクドク


早い、早いよ。


ドクドクドクドクドクドクドク


早くなってく。もう、収まってよ……!

私は着る予定の洋服を持って脱衣所へ駆け込んだ。


だんだん心臓の音が遅なっていくのを感じる。


安心した。本当に。


ハルの家へ行かなきゃ…。


あっ私、冷や汗もかいてた。


変な匂いがしたら嫌なのでとりあえず全て着替えてハルの家へ向かった。

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