鏡のはざま〜向こうの世界の君と〜
「もう少し右」
「どう?」
「もう少し左ほんのちょっとだけ」
「あと少し下に行く」
「これ?」
「うーん……もうちょっと下でも良い」
「できた!」
「いい感じ」
『ウィーントゥルルルトゥルルルウィーン』
「と、取れた。」
「よかったな」
「やった!」
私は思わず手を伸ばす。
そしてハルが上げてくれる手に向かって手を伸ばす。
『パチン!』
「嬉しい」
「取り出さないの?」
「出す!」
私はプラスチック製のやつを手で押して、パンダちゃんに手を伸ばした。
そして、ぎゅって掴んで取る。
何百円もつぎ込んでしまったけれど、パンダちゃんのふわふわとその大きさに思わず顔がにやける。
抱きしめると胸いっぱいに幸せになる。
「取れた……よ。」
「ははっ!うれしそうだな。」
「ハルは何か取った?」
パンダちゃんを抱きしめながら聞く。
「うーん、これなら取ったけど。」
そう言ってバッグから手を出すと……
「ダイヤだ。」
え??待ってどういうこと。
ダイヤって普通は掴むやつの下の方にあるおまけみたいなやつだよね。
それしか取れてないの?ハルが?