契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜
「そうだね、私も結婚式とかそういうのは面倒かも⋯⋯」

 本当はウェディングドレスを着てみたい。
 しかし、私が結婚式をしても私の親族席に母親は来ない。

 そういうことを配慮しての勇の発言かもしれないと、私は自分を慰めた。

 私はそのようなことよりも、結婚したら自分が母親になれるかもしれないということに胸を膨らませた。

 私は自分の母親についての記憶がない。

 私が1歳の時に、母は父とは別に好きな人ができて家を出て行ってしまった。

 それからは父が私のお父さん兼お母さんだった。

 周りも私の家庭の事情は理解していて、私は「母親がいない子」として気を遣われて過ごした。

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