契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜
 俺が慌てて駆け寄ると、望月夫妻は驚いた顔をしていた。
 望月健太は首にサポーターのようなものを巻いている。

「父が、札幌に行った時、凍った道で転んだらしくムチウチになってしまったんです」
「面目ない。雪が積もってないから油断していたら滑ってしまって」

 俺に状況を説明する日陰に応じて、望月加健太が病院にいる理由を語り出す。

「全くあなたときたら、雪用のブーツも履かないでダッシュするんだから⋯⋯。もっと、慎重にならないとね」

 望月加奈は特に日陰に悪い感情を持っているようには見えない。
 25年も空白があったとは思えないくらい、望月健太に寄り添っている。

「面目ない⋯⋯」
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