契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜
 病院中を走り回ったが、日陰の姿がない。
 彼女はすれ違う人が皆振り返るほど美しいので、いたらすぐに分かるはずだ。
「日陰、一体どこに⋯⋯」

 俺が窓の外を見た時に、病院前の広場で花瓶を持った日陰らしき人影と2人の男女が見えた。
(あれは、望月夫妻? なんでここに⋯⋯)

 俺は彼らとは日陰より先にコンタクトを取るつもりだった。
 川瀬勇が日陰と会う準備ができていない、望月加奈を逃し続けたことを思い出す。

(つまり、望月加奈は日陰を傷つける可能性があるってことだよな)

 いつの間に、彼らは北海道から東京に戻ってきたのだろうか。
 俺は慌てて病院の広場に出た。

「日陰!」
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