契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜
「日陰の両親として、1週間後の結婚式に列席してください」

 私は望月夫妻は私さえいなければ、仲良く過ごしてこられた素敵な夫婦だと思っている。

 25年も彼らに苦しい時を過ごさせた私の結婚式に列席して欲しいなど、私からはとてもじゃないけど頼めなかった。

「当然よ。楽しみね。日陰の晴れ姿が⋯⋯その前にお父さんは首を治さなきゃね」

 加奈さんの優しい声がする。
 ずっと想像していたお母さんの声だ。

 彼女だって、私に対しては複雑な気持ちがあるだろうに母親として接してくれている。

 私は1歳で私から離れた彼女の存在を一緒に集めたドングリからしか知らない。
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