契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜
 でも、彼女は私が思ってた通りのお母さんだった。

「私、結婚式、全力で頑張るね」

 私は自分で言って、花嫁が結婚式で何を頑張るのかは分からなかった。
 思わず謎の決意表明をしてしまったが、望月夫妻は笑顔で頷いてくれた。

♢♢♢

「緋色、花瓶を蓮さんの病室に届けたら家に帰ろうか」
 病院の廊下を歩きながら、私の頭はどこかふわふわしていた。
 ずっと会いたかったお母さんに会えて、私を受け入れてくれたからだろう。

「あら、日陰ちゃんよね。森田櫻子です。あなたの義理の母になる予定の蓮の母よ。蓮のお見舞いにきたのね。すっかりいい感じじゃない」
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