契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜
 緋色を後部座席に乗せて、運転手に自宅に帰るように伝える。

 私と緋色はそこまで長い時間を過ごした訳ではない。
 彼が何を求めているのか分からないけれど、今、彼がとても傷ついていることだけは分かった。

 彼が本当は私を利用しようとしているだけでも構わない。

 彼のことを慰める言葉を言いたかった。

 私は彼の顔を両手で包み込み、自分の方に向かせて伝えた。
「緋色、こっちを向いて! 私はあなたを愛してるわ。だから拒否されない限りは離れないから⋯⋯」

 私は彼に、どんな時も側にいるってことを伝えたい。

 どの家庭も色々なことがある。

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