契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜
「美咲の話を聞きたいなんて言ってくれるなんて嬉しいわ。さあ、上がって」
 美咲さんの母親に促され、私は緋色と共に応接室に通された。

 応接室までの廊下にも、家族3人の写真がたくさん飾ってあった。
 優しそうな両親の間で美咲さんは、いつも満面の笑顔だった。

 促されるがままに席に着くと、お手伝いさんのような女性が紅茶とお茶菓子を出してきた。
 先程、手土産にと緋色が美咲さんのご両親に渡したお茶菓子だ。

「緋色さん。このお菓子、美咲も好きだったやつね。あの子甘いものに目がなかったから」
 緋色はいつもの自信に溢れた感じではなく、遠慮がちに頷いた。

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