契約婚だから溺愛は不要です〜余命一年で捨てられた私はホテル王に求婚される〜

34.ひなたに会ってあげてください。

美咲さんのご両親が玄関で出迎えてくれた。

「お久しぶりね緋色さん⋯⋯」

 美咲さんの母親は穏やかな顔をした優しそうな人だった。

 そして、彼女の横には美咲さんの父親らしき人が寄り添っている。
 2人が私の方を見たので、私はすかさず頭を下げて自己紹介した。

「白川日陰と申します。今日は、少しでも美咲さんの話が聞ければと思い来ました」

 よく考えれば、今日は小笠原製薬が傾いた時の対策をお願いにきたはずだった。

 それでも、私の頭の中は門を潜った時から美咲さんのことでいっぱいになってしまっていた。
(どうしよう、間違ったかな⋯⋯)

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