騎士団隊長の初恋は、訳あり男装剣士でした
ほんの一瞬。
触れるだけの。
柔らかな口づけだった。
重なっていた唇が、そっと離れる。
「……」
「……」
セレスティアが、ゆっくりと瞳を開く。
頬が熱い。
すぐ近くに。
ベイルの鋼色の瞳がある。
目が合った。
けれど。
どちらも、すぐには何も言わなかった。
やがて。
ベイルが、僅かに距離を戻す。
セレスティアは、自分の膝の上へ視線を落とした。
胸の鼓動が、まだ速い。
唇には。
先ほど触れた温もりが残っているような気がした。
それなのに。
あまりにも、一瞬でーー。
「……あの」
「ん?」
「……もう一度」
「……え?」
セレスティアの頬が、さらに赤くなる。
それでも。
膝の上で、指先をそっと握りながら。
「もう一度……してほしいです」
「……」
ベイルは、何も言わなかった。
その沈黙が、長く感じられて。
セレスティアは、膝の上で握った指先に。少し力を込めた。
「……駄目、ですか?」
「……」
それでも、返事がない。
セレスティアが、そっと顔を上げる。
「……ベイル?」
鋼色の瞳と、目が合った。
その眼差しは、先ほどよりもずっと熱を帯びて見えた。
セレスティアの胸が小さく跳ねる。
「……セレス」
返ってきた声は、低かった。
次の瞬間。
ベイルの腕が、セレスティアの背へ回る。
ぐっと、身体を引き寄せられる。
唇が重なった。
今度は。
先ほどよりも、少し長く。
一度離れてーー。
けれど。
今度は、それで終わらなかった。
再び、唇が重なる。
「……っ」
セレスティアの肩が、僅かに揺れた。
「……ん……」
唇が離れたかと思えば。
「……ふっ……」
息をつく間もなく、また塞がれる。
重ねられる口づけは、次第に長くなっていく。
「……ふぁっ……」
先ほどまでの口づけの慎重さが、嘘のようだった。
背に回された腕にも、いつの間にか力がこもっている。
(……ちょっ、ちょっと……?)
ベイルの胸元へ置いた手に、少し力を込める。
押す。
けれど。
離れない。
「……っ」
もう一度。
今度は、さっきよりも強く押した。
それでも。
ベイルは、その小さな抵抗に気づかない。
(ま、まって……!)
その時だった。
一瞬、唇が離れる。
ようやく終わったのかと思ったーーその直後。
再び重なった唇が、これまでとは違う触れ方をした。
(ーーっ⁉)
セレスティアの身体が、ぴくりと強張る。
(ーーえ、な、なに……!)
何をされようとしているのか、分からない。
ただ。
これまでの口づけとは違う事だけは分かった。
触れるだけの。
柔らかな口づけだった。
重なっていた唇が、そっと離れる。
「……」
「……」
セレスティアが、ゆっくりと瞳を開く。
頬が熱い。
すぐ近くに。
ベイルの鋼色の瞳がある。
目が合った。
けれど。
どちらも、すぐには何も言わなかった。
やがて。
ベイルが、僅かに距離を戻す。
セレスティアは、自分の膝の上へ視線を落とした。
胸の鼓動が、まだ速い。
唇には。
先ほど触れた温もりが残っているような気がした。
それなのに。
あまりにも、一瞬でーー。
「……あの」
「ん?」
「……もう一度」
「……え?」
セレスティアの頬が、さらに赤くなる。
それでも。
膝の上で、指先をそっと握りながら。
「もう一度……してほしいです」
「……」
ベイルは、何も言わなかった。
その沈黙が、長く感じられて。
セレスティアは、膝の上で握った指先に。少し力を込めた。
「……駄目、ですか?」
「……」
それでも、返事がない。
セレスティアが、そっと顔を上げる。
「……ベイル?」
鋼色の瞳と、目が合った。
その眼差しは、先ほどよりもずっと熱を帯びて見えた。
セレスティアの胸が小さく跳ねる。
「……セレス」
返ってきた声は、低かった。
次の瞬間。
ベイルの腕が、セレスティアの背へ回る。
ぐっと、身体を引き寄せられる。
唇が重なった。
今度は。
先ほどよりも、少し長く。
一度離れてーー。
けれど。
今度は、それで終わらなかった。
再び、唇が重なる。
「……っ」
セレスティアの肩が、僅かに揺れた。
「……ん……」
唇が離れたかと思えば。
「……ふっ……」
息をつく間もなく、また塞がれる。
重ねられる口づけは、次第に長くなっていく。
「……ふぁっ……」
先ほどまでの口づけの慎重さが、嘘のようだった。
背に回された腕にも、いつの間にか力がこもっている。
(……ちょっ、ちょっと……?)
ベイルの胸元へ置いた手に、少し力を込める。
押す。
けれど。
離れない。
「……っ」
もう一度。
今度は、さっきよりも強く押した。
それでも。
ベイルは、その小さな抵抗に気づかない。
(ま、まって……!)
その時だった。
一瞬、唇が離れる。
ようやく終わったのかと思ったーーその直後。
再び重なった唇が、これまでとは違う触れ方をした。
(ーーっ⁉)
セレスティアの身体が、ぴくりと強張る。
(ーーえ、な、なに……!)
何をされようとしているのか、分からない。
ただ。
これまでの口づけとは違う事だけは分かった。