騎士団隊長の初恋は、訳あり男装剣士でした
王都から離宮へ戻るころには、外はすっかり夜になっていた。
馬車を降り、フェリスとベイルが中へ入ると、広間にはリタが待っていた。
「お帰りなさいませ」
穏やかな声で一礼する。
フェリスはほっと息をついた。
「ただいま。王都は、思っていたよりすごく広かったよ」
「そうでございましたか」
リタは微笑んだあと、ベイルの方へ視線を向ける。
ベイルは軽く頷いた。
「すまないが、ひとつ頼みがある」
「はい」
「フェリスの残りの滞在期間だが……」
ベイルは一瞬だけ言葉を選んだ。
「王都を回るときは、女性の装いをさせてやってほしい」
リタがゆっくり瞬きをした。
「女性の装い、ですか」
フェリスは少し照れたように視線を落とした。
ベイルはそれ以上多くは言わない。
一瞬だけ、フェリスの方へ視線を向ける。
それから、短く言った。
「準備を頼む」
リタは一拍だけ間を置き、それからふっと微笑んだ。
「……承知しました」
ベイルはそれだけ言うと、軽く手を挙げて部屋を後にした。
扉が閉まる。
広間に、フェリスとリタだけが残った。
静かになった広間で、リタがゆっくりフェリスを見た。
そしてーー
にやりと笑う。
「……女性の装いをさせてくれ、なんて」
腕を組む。
「何か、王都であったのですね?」
リタは意味ありげに微笑む。
「えっ?」
フェリスは思わず目を瞬かせた。
「えっと……それは……」
フェリスは少しだけ戸惑ったように目を泳がせた。
リタの目がきらりと光る。
そして、くすりと笑う。
「ここでは落ち着きませんわね」
リタは軽く礼をした。
「お部屋でお話を聞かせて頂きましょうか」
フェリスはまだ少し不思議そうな顔をしていたが、やがて小さく頷いた。
二人は広間を後にし、廊下を歩き出した。
馬車を降り、フェリスとベイルが中へ入ると、広間にはリタが待っていた。
「お帰りなさいませ」
穏やかな声で一礼する。
フェリスはほっと息をついた。
「ただいま。王都は、思っていたよりすごく広かったよ」
「そうでございましたか」
リタは微笑んだあと、ベイルの方へ視線を向ける。
ベイルは軽く頷いた。
「すまないが、ひとつ頼みがある」
「はい」
「フェリスの残りの滞在期間だが……」
ベイルは一瞬だけ言葉を選んだ。
「王都を回るときは、女性の装いをさせてやってほしい」
リタがゆっくり瞬きをした。
「女性の装い、ですか」
フェリスは少し照れたように視線を落とした。
ベイルはそれ以上多くは言わない。
一瞬だけ、フェリスの方へ視線を向ける。
それから、短く言った。
「準備を頼む」
リタは一拍だけ間を置き、それからふっと微笑んだ。
「……承知しました」
ベイルはそれだけ言うと、軽く手を挙げて部屋を後にした。
扉が閉まる。
広間に、フェリスとリタだけが残った。
静かになった広間で、リタがゆっくりフェリスを見た。
そしてーー
にやりと笑う。
「……女性の装いをさせてくれ、なんて」
腕を組む。
「何か、王都であったのですね?」
リタは意味ありげに微笑む。
「えっ?」
フェリスは思わず目を瞬かせた。
「えっと……それは……」
フェリスは少しだけ戸惑ったように目を泳がせた。
リタの目がきらりと光る。
そして、くすりと笑う。
「ここでは落ち着きませんわね」
リタは軽く礼をした。
「お部屋でお話を聞かせて頂きましょうか」
フェリスはまだ少し不思議そうな顔をしていたが、やがて小さく頷いた。
二人は広間を後にし、廊下を歩き出した。