騎士団隊長の初恋は、訳あり男装剣士でした
第三話「湖の出会い」
湖は、森の奥でひっそりとい息づいていた。
水面に揺れる夕光が、周囲の森の緑と混ざり合い、幻想的な光景を作りだしていた。
「この辺りで、馬を休ませるか」
ベイルは馬から降り、手綱を引いて水辺へ向かおうとした。
その時だった。
何かが湖の中で動いたーー。
人影ーー。
夕陽が濡れた身体を淡く透かし、細い輪郭を縁取った。
水を含んだ髪が背に張り付き、その下に生まれるかすかな曲線。
背を向けたその姿は、無防備そのものだった。
まるで周囲に誰もいないと信じきっているかのように。
既視感……どこか、似ている?
髪の色味は似ている……が、それは灰色がかったやわらかな銀色の色味だ。
あの剣士の髪色は、透き通るようなまぶしい白銀色だった。
ふと、その人影が体をそらしたその瞬間、鎖骨から下の影に、柔らかに膨らんだ曲線がちらりと映った。
息が止まる。
”女性”ーーだ。
ベイルは反射的に視線を逸らそうとした。
その時、背後から愉快そうな声。
「これはこれは……。こんな絶景を独り占めなんて、水臭いじゃないか」
レオニードだ。
「……っ、他の場所を探そう」
慌てて、レオニードの胸元を押し返す。
「ん……。何を隠した?」
レオニードは悪戯っ子のような笑みを浮かべて、横へずれようとした。
刹那。
「待って!それを持っていかれたら困るんだ!」
切迫した声。
思わず振り向く。
湖畔に現れていたのは、一頭のユニコーン。
その口元には、少女の衣服らしき物を加えている。
森の奥へと誘うかのような仕草。
水浴びをしていた少女が、追いかけようと湖からあがろうとする。
夕陽が、濡れた肌をなぞる。
美しくも無防備な姿。
その瞬間、ベイルの喉から衝動が弾けた。
「行くな!!」
反射的だった。
夕光を背に、ベイルの群青色の髪がわずかに揺れ、鋼色の瞳がまっすぐに、少女を捉えていた。
湖の少女がその声に反応して振り向いた。
水面に揺れる夕光が、周囲の森の緑と混ざり合い、幻想的な光景を作りだしていた。
「この辺りで、馬を休ませるか」
ベイルは馬から降り、手綱を引いて水辺へ向かおうとした。
その時だった。
何かが湖の中で動いたーー。
人影ーー。
夕陽が濡れた身体を淡く透かし、細い輪郭を縁取った。
水を含んだ髪が背に張り付き、その下に生まれるかすかな曲線。
背を向けたその姿は、無防備そのものだった。
まるで周囲に誰もいないと信じきっているかのように。
既視感……どこか、似ている?
髪の色味は似ている……が、それは灰色がかったやわらかな銀色の色味だ。
あの剣士の髪色は、透き通るようなまぶしい白銀色だった。
ふと、その人影が体をそらしたその瞬間、鎖骨から下の影に、柔らかに膨らんだ曲線がちらりと映った。
息が止まる。
”女性”ーーだ。
ベイルは反射的に視線を逸らそうとした。
その時、背後から愉快そうな声。
「これはこれは……。こんな絶景を独り占めなんて、水臭いじゃないか」
レオニードだ。
「……っ、他の場所を探そう」
慌てて、レオニードの胸元を押し返す。
「ん……。何を隠した?」
レオニードは悪戯っ子のような笑みを浮かべて、横へずれようとした。
刹那。
「待って!それを持っていかれたら困るんだ!」
切迫した声。
思わず振り向く。
湖畔に現れていたのは、一頭のユニコーン。
その口元には、少女の衣服らしき物を加えている。
森の奥へと誘うかのような仕草。
水浴びをしていた少女が、追いかけようと湖からあがろうとする。
夕陽が、濡れた肌をなぞる。
美しくも無防備な姿。
その瞬間、ベイルの喉から衝動が弾けた。
「行くな!!」
反射的だった。
夕光を背に、ベイルの群青色の髪がわずかに揺れ、鋼色の瞳がまっすぐに、少女を捉えていた。
湖の少女がその声に反応して振り向いた。