キューピットが恋しちゃダメなのに


キューピットが住む寮に帰るか、仕事を済ますか、どっちにしよう。

今日1番目の担当は、日本のとある場所。



「京極 翔奏(きょうごく・かなた)と星奈 桜桃(ほしな・おと)。きれいな名前・・」

「エナ!今日の仕事一緒にやろーぜ。」

「もちろんだよルイ。でも他の子は?」

「今日はいーの。それともやっぱダメ?」



恐る恐る後ろを振り返ると、他の女の子達の視線が怖い。

男の子にもみられてる気がーー。



「エナ!?」



耐えられなくなって、私は戸惑うルイの手を握って雲の端の仕事場まで走りだした。



「っルイ!?」



次は私がびっくりする番だった。

ルイが、手をぎゅっと握り返したから。

スピードが緩んだ私を引っ張るように走る彼の手は熱くて。

私もそこからじわじわと熱くなっていく。



「ルイ・・」



普段は他の女の子と明るく喋るくせに、私の前では口が重たいルイ。

最初の出会いは学園の階段で足を滑らせた私を、ルイが受け止めてくれたこと。

あやまりにあやまったけど、全然許してくれなくて。

ありがとう、って言ったらやっと笑ってくれたのが嬉しかった。

こんなこと本人には言えるわけもないけれど、大切な思い出。



「着いた!!」
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