Jully〜あなたと夢を〜

さようなら…


私は研二さんを傷付けてしまった………。


振り返って見た研二さんの顔は、今迄見せたことの無い怒った顔…


研二さんの言った事は正しかった。だからこそ言い訳も言えない。


金縛りにあったかのように体が動かず、声も出ず、ただ研二さんの声だけが耳に入ってくる。



「……好きにならなければよかった。」



研二さんのその言葉を聞いた瞬間、また涙が溢れた。
と同時に金縛りから声が戻る。



「…待って、研二さん!」



私もあなたの事好きなの!

だから待って……



後に続く言葉が出て来なかった…



研二さんが立ち去ると、私はその場に崩れ落ちた。
雪ちゃんが必死に支えてくれて、自分の事の様に泣いている。
店長も研二さんを引き戻そうと、バックルームを飛び出す。



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