きみは硝子のゼラニウム
つい、ぎゅっと手を握り締めてしまう。
すると、私に合わせるように、尋くんもさらに強く握り返してきた。
「俺はそれでも、ひなが好きだと思ったけどね」
…ほんとに…?
なんでいつも、こんなに真っすぐに伝えてくれるの?
尋くんが私を見つめる瞳には、確かに私がいる。嬉しいのに、不思議で、少し怖い。
出会えただけでも十分なのに、私はどうしても素直になれない。
どこまでいっても、この人には似合わないんじゃないかって思う。
だって、私は――
「私は、尋くんみたいに…自分に自信があるわけでもないし、自分のことなんて一向に好きになれなくてっ…付き合ったとしても、きっと尋くんは、こんなミノムシみたいな私のこと、すぐに嫌いになると思うっ…」
声に出すと、心の奥底に押し込めていた不安がどっと溢れ出す。
自分が嫌い。
私は、私が嫌いなんだよ。名前すら、好きになれないの。
「私なんかのこと好きになっても、尋くんにいいことなんてないしっ…だって私、前みたいに試しちゃうよ、きっと…尋くんがいくら言葉で伝えてくれたって、ずっと自信ないままだと思うよっ…?」
止められない。弱いところも、醜いところも、全部知られたらきっと幻滅されるのに。
それでも口から溢れてしまう。