きみは硝子のゼラニウム

紫のライラック


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帰り道。

電車が遅延してしまって、予定より帰る時間がずいぶん遅くなってしまった。

19時の空はすっかり暗く、街灯に照らされる道路の先に、ふたりの影が長く伸びている。


尋くんが「家まで送る」と言って聞かなくて、仕方なく並んで歩いているけれど、どこかぎこちない気まずさが漂っていた。


あのラベンダー畑からの帰り道、涙が止まらなくなって、子どもみたいに泣きじゃくった私を、尋くんは一言も責めず、ただ優しく手を握り締めてくれていた。


せっかく連れてきてもらったから、もっとちゃんと写真を撮ったりしたかったのに…恥ずかしさと後悔が入り混じって、胸が重い。


今も、どんな会話をすればいいのかわからなくて、言葉を探すたびにぎこちなくなる。

普段より少し距離を感じるこの空気は、気のせいじゃない。全部、私のせいだと思う。



「尋くん…今日、ごめんなさい」


「なにが?」


「せっかく誘ってくれたのに、台無しにしちゃって」


「?…台無しなんて、思ってねーけどな」



ラベンダー癒されたわー、なんて軽く笑いながら、空を見上げる尋くんは、どこまでも心が広くて、余計に申し訳なくて、胸が締めつけられる。



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