きみは硝子のゼラニウム
「無理して笑わなくていいよ」
「え?」
「俺は、ひなが寂しい思いをさせないために来たんだし」
その言葉と一緒に、尋くんは優しく微笑みながら、そっと私の頭を撫でる。
指先の温かさが、体の奥まで染みて、思わず目の奥が熱くなる。
キラキラと降り注ぐ星と、止まらない涙で、視界が少し滲む。
泣いてばっかりだ、私。
尋くんと出会ってから、ずっとこんな調子。
出会う前の私は、もっと強くて、弱虫じゃなかったのに。
「いっぱい泣いていいよ」
初めて会った時もそう言われた言葉が、またしても私の心を溶かしていく。
「…っ、うっ…」
よしよし、と言われると、完全に子ども扱いだけど、大きくてあったかい手は、今の私に必要なすべてだった。
「今日、誰もいないの?」
「…お父さん、仕事で出張中でっ…お医者さんだからっ…」
「あー、そっか。ずっと寂しかったな」
「…っ!」
…寂しかった。
寂しかったんだよ。
ずっとひとりで、誰にも言えず、ただ寂しかったの。