きみは硝子のゼラニウム




「…わ、私のせいで、お母さん事故にあったんじゃないかって…私を庇ったりしなければ、お母さん、今でも生きてたんじゃないかって…」



小さな胸の奥で、ずっとそう思い続けてきた罪悪感。


あのときの記憶は今でも鮮明に蘇る。

大きな声が聞こえたと思った瞬間、急に視界が真っ黒になって、重たい何かが体に覆いかぶさった。


お母さんだった。

だんだんと、生ぬるい感触が肌に伝わり、血とアスファルトの匂いが混ざったような感覚。


気づけば病室にいて、目の前にはもうお母さんはいなかった。


全部、私のせいだった。

全部、全部、私のせい。



「…お父さんも、忙しいから…迷惑、かけたくなくて…全部、自分でできるようにならないと…ひとりでも、頑張らないとって、そう思ったらどんどんっ…人と距離ができて、どうすればいいか分からなくてっ…」



自分の胸の内を言葉にしていくと、止めようと思っても涙があふれて、声が震える。


そうやって作り上げた、“鉄壁女”の自分は、今更変われるはずもない――そう思っていたのに…。



< 129 / 301 >

この作品をシェア

pagetop