きみは硝子のゼラニウム
「尋くんなら、なんでも許してくれるって、勝手に甘えて期待して…恥ずかしいっ…」
尋くんの前では、無意識に甘えてしまう。頼ってしまう。期待してしまう。
自分が自分じゃないみたいで、恥ずかしくてたまらないし、こんな感情、知らなかったし、知りたくもなかったのに。
ずっとひとりで生きていくと強情を張ってきたけれど、本当はひとりが寂しかった。
気づかれたくなかったのに、もう、尋くんに全部見透かされてしまったみたいで――心がぽろぽろ崩れていく。
「なんで?いーじゃん」
「………え?」
「俺は、甘えてくれて嬉しかったけどね」
尋くんはそう言って、いつもみたいに私の目線に合わせるよう少しかがむ。
私の頬を伝った涙を、親指でそっとすくう。
その仕草は優しいのに、表情は少しだけ眉が下がっていて、まるで私の痛みごと抱きしめようとしてくれているみたいだった。
「思う存分期待してていーよ。裏切らないから」
さらっと、とんでもないことを言うくせに、本人は悪びれもせずに笑う。
そっちのほうが、俺はうれしいし。なんて、ずるい。
私も大概だけど、尋くんも相当だと思う。