きみは硝子のゼラニウム




「今日、せっかくずっと一緒にいれるんだから、ひなの好きなことしよーよ」



ニッと笑って、両手で私の頬を包み込む。大きくてあったかい手。




……この人と、ずっと一緒にいたい。


なにも怖がらず、この胸に飛び込めたらどれだけ楽だろう。


尋くんのことを好きになれたら、なんて迷っていた時間が、急に馬鹿みたいに思えた。



もう、とっくに手遅れだったんだ。


どうしようもなく、好き。


苦しくて甘くて、でも幸せで。



………尋くんが、好き。




たぶん、初めて会ったときから、もうそうだった。


尋くんの周りにだけ、キラキラした光が降っていた。あのとき見えたそれは、今も変わらず、私の目の前で静かに瞬いている。


尋くんの周りにしか見えない、特別なキラキラ。


掴みたくて、そっと手を伸ばせば、そこにはちゃんと尋くんがいる。


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