きみは硝子のゼラニウム
「お母さんのことだって、人に頼れない性格だって、なにひとつひなのせいじゃない。俺が昨日、泊まっていったのもひなのせいじゃないし、俺がひなを口説いてんのもひなのせいじゃない」
その目が、まっすぐ私を見ている。
私のせい…じゃないの?
「ひなのお母さんだって、ひなが大切だからそうしたんだよ。俺も俺で、ちゃんと自分の意志で動いてる。ひながかわいそうだから、こうしてるわけじゃない。ひなが好きで、一緒にいたいからこうしてんの。
それで、あわよくば俺のこと好きになってくれないかなって、下心があってこうしてんだから、ひなは自分のせいだなんて思う必要は全くない」
「……っ、」
…………自分じゃどうしてもそう思えないことを、尋くんに言われたらどうしようもなく嬉しくなってしまって、そう思ってもいいのかな、ってそう感じてしまうのはどうしてだろう。
思わず目の奥に熱いものがたまり、瞬きをすると涙が零れそうになる。
尋くん…ほんとに?
ほんとに、私のせいじゃない?私のせいで、お母さんがいなくなったんじゃない…?