きみは硝子のゼラニウム
その瞬間、教室の空気が妙に静かになっていることに気づいた。
……あれ?
チラ、と周りを見渡す。すると、なぜか教室にいるほぼ全員が、さりげなく、でも確実に私のほうを気にしている。
視線があちこちから刺さる。ヒソヒソ、と小さな声が重なって、ざわめきが広がる。
……な、なに?
「……えっと、なんのこと?」
恐る恐る聞き返すと、金森くんは目を見開いた。
「え!?もしかして、何も聞いてない!?」
え、なにを?
ますます分からない。
頭の中が真っ白になる。周りのヒソヒソ声が、今度ははっきりと耳に入ってくる。
――ほんとに誰も誘わなかったの?
――え、まじで?
――でも、どうせ来ないでしょ。
その断片的な言葉で、なんとなく察してしまう。
「夏休み前にクラス会しようって話になっててさ、カラオケ行くんだけど、よかったら来ない?」
「……。」
きっと、あえて誰も私には声をかけてこなかったんだろう。
「ほかの女子から聞かなかった?」
少し心配するような顔でそう言われて、余計に喉が詰まる。