きみは硝子のゼラニウム
顔を赤くした金森くんが、ハッとした表情で尋くんを睨みつける。頬は真っ赤で、目は怒りと焦りが混ざったように鋭く光っている。
「……俺は、1年の頃からずっと一色のことが…!」
わ、私……?
金森くんはそこまで言いかけて、尋くんから私へと目線を移して、さらに顔を赤くさせた。
な、なに…?金森くんは何が言いたいんだろう…?
不思議に思っていると、斜め上から、はあ、と尋くんのため息が聞こえてきた。
「出会った時期とか関係ねーわ」
「……っ、!」
「お前にひなは無理。諦めな」
さっきまでの甘さとは違う、少し冷たい声音に、ぞくっと背筋が震える。
金森くんがどうしてここまで私に世話を焼いてくれるのかわからないけれど、でも、その分だけ尋くんが甘い言葉をくれるから、どうしても心が傾いてしまう。
私の首に回る尋くんの腕を、思わず両手でぎゅっと掴む。
尋くんの体は大きくて、広くて、包み込まれると不思議なくらい安心する。尋くんの、全部を包み込んでくれるくらいの大きな体が好きだ。
ずっと、このままいられたらいいのに。ずっと、この体温の中に閉じ込めてもらえたらいいのに。そんなこと、本気で思ってしまうくらいには。