きみは硝子のゼラニウム
隣を歩く尋くんは、さっきからどこか上の空で、何かをぐるぐる考えているみたいだった。
ネオンの光が横顔を照らして、その表情の変化がやけにわかりやすい。
「…初めて、やばいって思った」
「…?」
ぽつりと落ちた言葉に首を傾げると、尋くんは前を向いたまま続ける。
「同じ学校じゃないから、気にしないようにはしてたけど…実際見ると、結構クんね」
クる?なにが?
「さ、さっきから何の話?」
思わず聞き返すと、尋くんは少しだけ眉をひそめて、小さく笑った。
「当たり前だけど、ひなの魅力に気づいてんのは、俺だけじゃないよな」
「え?」
「頼むから、ほかの男は見ないでよ」
「……な、に言って」