【完】きみは硝子のゼラニウム
放課後、もしかしたら女の子たちと笑いながら帰ってたのかも、なんて想像しては、胸がずしんと重くなって、そんな想像してる自分がまた嫌になる。
さっきまで何してたの、って聞けなかったくせに、勝手に傷ついてるの、ほんとに馬鹿みたいだ。
それなのに、「ひなが好きなもの、知りたい」なんて言われただけで、こんな。
舞い上がってる。期待してる。
そんな自分が、やっぱり恥ずかしい。
この感情に振り回されてしまう自分が、情けなくて嫌で、それでもどうしようもなく嬉しくて、幸せで、胸の奥がいっぱいになって、気づけば涙が滲みそうになっていた。
慌てて両手で顔を隠す。
こんなの、見られたくない。
「どうした?」
「…どうも、なにもっ」
だって、いつもいつも尋くんのせいで、感情がうまく利かなくなるんだ。
嬉しすぎても、苦しすぎても、すぐ涙が溢れそうになるんだから。こんなふうに誰か一人に乱されるなんて、知らなかった。