きみは硝子のゼラニウム




だから、早く言いたいのに。


喉の奥で言葉がつっかえてしまう。



勇気が、あと少し足りない。



……今日。

もし、そういう雰囲気になったら……さりげなく、言ってみよう。


好きです、って。


できるかどうかは、正直分からない。たぶんその瞬間になったら、また心臓がうるさくなって、言葉が出なくなるかもしれない。

顔もきっと真っ赤になってしまうと思う。


それでも、どうにか頑張って、伝えてみよう。



そう思いながら、私は隣を歩く尋くんの横顔をそっと見上げた。
繋いだ手を、もう一度だけ、ぎゅっと握り直す。




——今日は、ちゃんと伝えられますように。


胸の奥で、小さく願いながら。



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