きみは硝子のゼラニウム




「私にも撮らせてくださいっ」



思いきってそう言うと、尋くんは一瞬だけきょとんとした顔をしてから、すぐに困ったように笑った。



「俺、写真苦手」


「それ、ずるくないですか?」



私がムッとすると、尋くんはクスクスと楽しそうに笑う。



「そんな顔すんなって」



そう言いながら、尋くんが私のほうへ歩み寄ってくる。

そして、すぐそばまで来たかと思うと、すっとスマホを掲げた。



「一緒に撮ろうよ」



次の瞬間、ぐいっと肩を引き寄せられる。急に距離が近くなって、心臓がびっくりするくらい大きく跳ねた。

尋くんの体温が、すぐ隣にある。見上げると、尋くんが少しだけ身をかがめて、私を見下ろしていた。

夏の光を受けてきらきらしているその瞳に、まっすぐ捕まる。

そらさなきゃ、と思うのに、うまく動けない。近すぎる距離に、胸の奥がぎゅっとなる。


どうしよう、……。


そう思った瞬間だった。


カシャッ。



「めっちゃいい写真撮れたわ」


「もうっ!撮るならカウントダウンくらいしてよ~っ!」



絶対、変な顔してる。びっくりした顔とか、間の抜けた顔とか……。そんなのだったらどうしよう。恥ずかしすぎる。

そう思って慌てていると、「ほら」と尋くんがスマホの画面をこちらに向けてきた。



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