きみは硝子のゼラニウム
胸の奥がそわそわして落ち着かない。今までだって何度も一緒に出かけてきたけど、私から誘ったのは、これが初めてだったから。
もし迷惑だったらどうしよう。無理して来てくれてるだけだったらどうしよう。
「迷惑なわけない」
すぐに返ってきた言葉に、思わず顔を上げる。尋くんは、さっきと同じ優しい顔で私を見ていた。
「ひながしてくれることなら、全部嬉しい」
「……ほんと?」
つい確かめるように、チラッと上目遣いで見上げてしまう。そんな私を見て、尋くんは「ふはっ」と小さく笑った。
そして、風にふわりと揺れた私の髪に手を伸ばして、そっと、耳にかけてくれる。
この人の、こういうところが好きだ。
優しくて、さりげなくて、きらきらしたその瞳も好き。
その瞳の中に映っているのが私だと思うと、なんだか少しだけ、自分のことまで好きになれそうな気がするから。
「好きな人にされて嫌なことなんてないから、わがままとか、もっとちょーだい」
「……っ、」
一瞬、言葉が出なかった。
気づいたら、この気持ちはどんどん大きくなっていた。
前よりも、ずっと。