きみは硝子のゼラニウム




もし、これ以上大きくなったら——どうなるんだろう。


“わがままとか、もっとちょーだい”なんて。


そんなふうに、軽々しく言うものじゃない。だって、本当にわがままを言ってしまったら。

もし私が、この胸の奥にある本当の気持ちを口にしてしまったら——。



そのとき、尋くんはどんな顔をするんだろう。



「……私、ほんとはものすごーくわがままなんだよ」


「はは」


「もう、尋くんが手付けれないくらいひどいんだから」


「はは、いいじゃん」


「……よくない」



小さく首を振る。

よくないよ、ちっともよくない。私ばっかり、尋くんにもらってる。優しさも、言葉も、時間も。

私ばっかり甘えて、私ばっかり助けられて、私ばっかり幸せになってるみたいで、なんだかずるい気がする。

好きで好きで、胸がいっぱいになる。隣にいられることが嬉しくてたまらないのに、同じくらい苦しくなる。幸せなのに、どうしてか泣きたくなる。



「……あのね、尋くん、私」



言葉を出そうとする。だけど、喉の奥で何かが引っかかって、うまく外に出てこない。言いたいことは、ちゃんとあるのに。



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