きみは硝子のゼラニウム
パソコンで確認すると、今日は配達が1件だけ入っていた。
最近できた大型ショッピングモールの中にあるお店らしい。
住所を見ながら、まだ行ったことないなあ、なんてぼんやり思う。
店長がすでに用意してくれていたお花は、寒くなってきた季節にふさわしいサーモンピンクと白のお花が中心の涼しげな色合いのブーケで、丁寧にラッピングされていた。それをそっと鞄に入れて、形が崩れないように気をつけながら持ち上げる。
行ってきます、と挨拶をしてお店の扉を開けると、外の空気が一気に押し寄せてきた。
さっきまで感じていた店内のぬくもりが、まるで嘘みたいに遠ざかっていく。
思わず肩をすくめながら外へ一歩踏み出すと、冷たい空気がそのまま肺の奥まで流れ込んできて、胸のあたりがきゅっと苦しくなった。
思わず小さく息を吐くと、白い息がふわりと目の前に広がって、すぐに空へ溶けていく。
吐くたびに白くなるその息をぼんやり眺めながら、ああ、もうこんな季節なんだな、と改めて思った。
ついこの前まで、もう少しだけ暖かかった気がするのに。
まだ冬に入ったばかりのはずなのに、今日は寒波が来ているらしくて、空気の冷たさはいつもよりずっと鋭い。