きみは硝子のゼラニウム
電車を何本か乗り継いで、目的のショッピングモールに到着する。
駅から直結している建物は、ガラス張りで、遠くから見ても大きいのがわかった。
中に入ると、暖房の暖かい空気が一気に体を包み込む。
「あったか……」
今日は土曜日だからなのか、館内はとにかく人が多い。
学生らしいグループや、小さな子どもを連れた親子、買い物袋を抱えた人たちがあちこち歩いていて、少し気を抜いたら迷子になりそうだった。
壁にある大きなフロアマップの前で立ち止まり、配達先のお店の場所を確認する。どうやら2階らしい。
1階のエスカレーターの近くの広場では、何かのキャラクターショーをやっているみたいだった。
着ぐるみのキャラクターが小さな舞台の上に立っていて、その前には大勢の子どもたちが集まっている。きゃあきゃあと楽しそうな声が響いていて、親たちはスマホを構えて写真を撮っていた。
その光景を横目に見ながら、私はエスカレーターに乗って2階へ上がる。
上から見下ろすと、やっぱりこのショッピングモールは広い。大型って書いてあったけど、本当に大きい。たぶん、1日じゃ回りきれないんじゃないかな。
何度かお店の案内板を確認しながら歩いて、やっと目的のお店にたどり着いた。
入口には大きなマネキンが立っていて、真っ白なウェディングドレスを着ている。
ふわっと広がるスカートに、レースのベール。どうやらブライダルのお店みたいで、少しだけ緊張しながら店内に入る。