きみは硝子のゼラニウム




大好きだった。

本当に、大好きだった。


出会えてよかったって、心から思えるくらい。こんなふうに誰かを好きになれたことが、きっと奇跡だった。



「…っ、うっ…うぅ~っ…」



声が漏れそうになって、私は慌てて口元を押さえる。肩が震えて、息がうまくできない。



ねえ、尋くん。今だから言えるけれど。


“ひなが好きなもの、俺もちゃんと知りたい”なんて。それって、すごく愛に溢れた言葉だと思うの。



あのときの私は、うまく返事もできなくて、ただ戸惑ってばかりだったけど。本当はすごく嬉しかったんだよ。胸の奥があったかくなって、泣きそうなくらい嬉しかった。




紛れもなく、

私にとっての運命は、尋くんだったんだよ。

















” カンパニュラ ”

― 届かない思い はかない恋





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