きみは硝子のゼラニウム

ワスレナグサ


尋 side

*

*

*




「尋、最近付き合い悪くね?」



スマホを片手に、椅子の脚を床に引っ掛けたままシーソーみたいに前後に揺らしていると、隣の席からそんな声が飛んできた。

昼休みの教室はいつものようにざわざわしていて、弁当の匂いと笑い声が混ざっている。


でも俺の視線は、そんな空気とは関係なくスマホの画面に落ちたままだった。



「今だって、俺の話全然聞いてねーし!」


「そんなことねーよ」



適当に返事を返すと、不満そうに眉をしかめながら身を乗り出してきた。
そして、何の遠慮もなく俺のスマホをのぞき込んでくる。


距離近すぎだろ。



「はっ!?ちょーかわいいじゃん!誰の写真見てんだよ……って、もしかして学祭のときの子?」



その言葉に、思わず画面から目を上げた。


はあ?なんで知ってんの?と一瞬思ったけど、すぐに思い出す。

そうだ、学祭のときに会ってるんだった。



< 222 / 301 >

この作品をシェア

pagetop