きみは硝子のゼラニウム
「尋が振り回されてんの、初めて見たわ~」
隣から、からかうような声が聞こえる。
振り回されてる?
「……は?俺が?」
「どう見てもそうだろ」
……いやいや、普通に考えて逆じゃないか?俺が振り回してる側だろ。俺の方がひなを口説いてんだから…って、思ったけど。
……でも、少しだけ考えてみる。
昨日の夜、メッセージ送ったあと何回スマホ見た?今日の昼休みまでに、ポケットの中のスマホを何回確かめた?通知が鳴るたび、心臓がちょっと速くなってるのは誰だ?
そこまで思い返して、俺は小さく息を吐いた。
……ああ、確かに。
こいつの言う通りかもしれない。
ひなから見ても、俺は自信があるように見えてるらしいけど、俺がそう見せてるだけだ。実際は全然そんなことない。
自信なんて、別にない。
少なくとも、ひなのことに関しては。
むしろ逆だ。焦ってる。
早く、俺のこと好きになってくれないかなって。