きみは硝子のゼラニウム




ひなが送ってきたあの言葉は、あれが全部じゃない。たぶん、本心なんかじゃない…と思う。

そうであってほしい、って願いが混ざってるのはわかってる。


でも、それでも、あの短いメッセージだけで全部を決めつけるのは、どうしても違う気がした。


…けど、これも結局、俺がそう思いたいからそう考えてるだけなんじゃないのか?都合よく解釈して、傷つかないように逃げてるだけなんじゃないのか?



「……。」



答えなんて、どこにもないくせに。


ふと、視線を上げると、リビングのあちこちに飾られた花が目に入った。色とりどりの花瓶、さりげなく置かれた小さなブーケ。全部、Petal & Co.で買ったやつだ。


母さんの趣味で増えていったものだけど、こうして見ると、家の空気が少しだけやわらかくなっている気がする。

最初は興味なんてなかったはずなのに、今では、こういうのも悪くないと思ってる自分がいる。



そして、花を見るたびに、どうしてもひなのことを思い出してしまう。



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