きみは硝子のゼラニウム
「もしかして、彼女待ちですかっ!?」
「いや、そういうのじゃないけど……」
否定すると、3人は顔を見合わせて、さらに一歩ぐっと近づいてくる。思わず少したじろいでしまう。もっと静かな雰囲気を想像していたから、こういうノリに少し戸惑う。
「えー気になる!誰ですか?」
「……一色さん、待ってるんだけど」
そう言うと、3人は一瞬きょとんとした顔をして、それから「あー」と声を揃えて納得したみたいにうなずいた。
「私、一色さんと同じクラスだけど、もう帰りましたよ」
「……あー、そう」
思わず小さく息が漏れる。タイミングが悪すぎる。ここまで来て、完全に入れ違いなんて。
胸の奥に残っていたわずかな期待が、静かにしぼんでいくのがわかった。