きみは硝子のゼラニウム
数分歩くと、あっという間にお店に到着した。
Petal & Co.
ほんとに、なんでわかったの…!?
隣をチラッと見上げると、彼は興味津々の様子で「花いっぱいあんなー」と声を漏らす。
「ひなちゃん、おかえりー」
店長が出てきて、隣に立っている彼を見た瞬間、ああ!と何かを思い出したように声をあげる。
そして、すぐにカウンターのパソコンに目をやった。
な、なに…?
「ひなちゃん、ちょっときて~」
店長はパソコンを見ながらそう呼ぶ。
私は少し速足で店長にかけ寄った。
どうしたんだろう、と少し不安になりながら、一緒にパソコンの画面を覗き込む。
その視界に、彼がしゃがんでお花を見ている姿がふと入った。
思わず胸がどきりとして、目をそらそうとする。
「ひなちゃん、奥のテーブルに置いてある花束もってきてくれる?」
「は、はいっ」
彼に目が向いていたことがばれたくなくて、つい焦って返事をしてしまう。
不思議そうに、どうした?と声をかけられたけれど、私は逃げるように奥へ向かった。