きみは硝子のゼラニウム




「お前とパン食ってる暇ねーな」


「え、あんたが無理やり連れてきたんだろ!?」


「まあ、ひなのことは俺に任せてよ」



そう言って、ポンと金森の肩に手を置いてニッと笑う。案の定、「勝手にしろよ」と睨まれるけど、そんなの気にしない。かわいくねーな、と思いながらも笑ってしまう。



「金森の恋路を邪魔したことは悪いと思ってるから」


「…も~、さっさと行けよ」



はは、と笑ってスマホで時間を確認する。


ひなはいるかな。いてほしい。胸の奥が自然に高鳴る。



「じゃ、これからもひなの友達として、仲良くしてやってよ」



手をヒラヒラさせると、金森から「言われなくてもわかってる!」とかなんとか叫ぶ声が返ってきた。軽く目を細めて、コンビニの自動ドアを抜ける。


外の冷たい空気が一気に肺に入って、少し痛い。唇も乾燥している。でも、そんなことはどうでもよかった。



ひな。

俺さ、たぶん、ひなが思ってるよりずっと器大きいよ。

わがままだって、泣きたい気持ちだって、全部聞いてやるし、抱えきれないものも、俺が一緒に背負う。

ひながどれだけ高い壁を作ろうと、俺を突き落とそうと、何度でも登り切る。


そして、登り切ったその先で、今まで頑張ったなって抱きしめるよ。



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