きみは硝子のゼラニウム
だって、尋くんはいつも私のそばにいてくれた。
言葉だけじゃなく、目線や声色、優しい手の感触、早くなる鼓動…全部で、私への気持ちを伝えてくれてたんだって、わかってるの。
「俺は何も知らないからとやかく言えないけれど…ちょっとはあの人のこと信じてみてもいいんじゃない?たぶんね、一色さんが思ってるよりもしつこそうだし」
ケラケラ笑う金森くんの声と対照的に、私の目からはずっと我慢していた涙がぽろぽろ零れ落ちる。
尋くん…私ね、自分のことが嫌いで、幸せになる資格なんてないって思ってる。
だから、尋くんに好かれている意味が分からなくて、自信なんてちっともない。
だからどうしても、試してしまうの。
私を忘れて幸せになって、なんてひとつも思ってないのに…。
…尋くん。
お願い、私を忘れないで。
私がここにいたこと、尋くんの隣にいた時間、全部、どうか忘れないで。
私が感じた、私の全部を、覚えていてほしい。