きみは硝子のゼラニウム
カスミソウ
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ぎゅっと握りしめられた手が、じんわりとあたたかい。
冷たいはずの冬の空気の中で、そのぬくもりだけがやけに鮮明で、指先からゆっくり心まで溶けていくみたいだった。
ふと、斜め上を見上げると、そこには尋くんの横顔。
街灯の光に照らされて、少しだけ影が落ちたその表情が、いつもより大人っぽく見えて、思わず見入ってしまう。
「ん?」
「……!」
やばい、見てたのばれた。
そう思った瞬間、尋くんがぐっと顔を寄せてきて、反射的に逆方向へ勢いよく首を振る。
逃げるみたいにそっぽを向いた私の耳に、「ははっ」と楽しそうな笑い声が届いた。
……絶対、からかわれてる。
というか、ついさっきまで抱き合ってたのに、今さらこんなことで顔を赤くしてるのってどうなんだろう、って自分でも思う。
でも無理なものは無理で、心臓はさっきからずっと落ち着いてくれない。